読み切りコラム

入学後に困らない「子どもの生活の場」
としての学校の選び方

更新日 : 2017/05/16

 子供たちの受験が終了してから、丸一年が経ちました。勉強中すぐに空想に耽り始めるデイドリーマー女子だった娘が高2、机に向かったとたん爆睡できる寝落ち系公園男子だった息子も中2となり、あの感動的ですらあった怒涛の日々も、今では自ら勝ち取った「日常」となりつつあります。

えなかちゃん
ブロガー。2013年2月に娘、2016年2月に息子が中学受験を終了。偏差値アンダー50という、多種多様な学校がひしめくゾーンでの受験を経験。親子バトルに陥りがちな受験生活に、少しでも見通しを立てるためのヒントをお伝えしていきたいと思います。

入学後に困らない「子どもの生活の場」としての学校の選び方

 そんな「未来の日常」をゲットするために、私たち親に何が出来たのか。受験できる数は限られているのに、どこをどのように受験するのか。特に、数ある学校からどこを選ぶのかは、「正解」「絶対にうまくいく」を背負い込みがちな私たち親にとって、頭どころか胸も胃も痛くなる決断です。

 大学合格実績や英語教育、アクティブラーニングにキャリア教育。カリキュラムの充実とブランド力がすぐさま子供への投資、未来への安心と結びつきがちで、私自身、お得な学校ランキングや難関校合格ランキングに自分の選んだ学校がないと落胆したりもしました。でも、やっぱり今思い返してもこの学校を選んでよかったと思えるのは、思春期の一番難しい時期の子供を6年間まとめて預ける先として学校選びをしたからなのかなと思います。つまり中高一貫校は、入学すれば子どもが1日で一番長い時間を過ごす「生活の場」だということです。もちろん、子供自身が憧れを持ってここに行きたい!!ということはあるでしょう。親として、ここら辺の偏差値ラインを越えなければ受験させる意味がないとの考えもあるでしょう。小学校から続けているクラブを活かせるところがいい、大学附属じゃないと安心できないなど、志望校選びのポイントはたくさんあります。

 でもこれらは、ざっくりいえば、親側から見た視点と子供から見た視点に分けることが出来ます。この2つを分けて考えることで、親も「よし、6年間なんとしてもここに通わせるぞ!」と思え、子供も「絶対この学校受ける!!」と熱望する学校を見つけやすくなるんじゃないでしょうか。

 ではまず、親側が満足できる学校はどこにあるのか。大抵は最初に、学校パンフやホームページなどで教育理念や理想の生徒像、カリキュラムや大学合格実績、学費云々を確認してある程度絞り込みますね。この辺は、親側の希望が入っても仕方ない部分だと思います。受験させるからには地元中学とは違った面を得たいですもんね。

 あと大事なのは通学時間。1時間圏内なら、部活以外にも放課後の自由度が増します。知ってる学校だけではなく、想定外の学校でも通学圏内の場合は、一応チェックしておくと併願対策にもなります。

 学校選びにある程度の目処がついたら実際に足を運ぶわけですが、個人的には、各学校が実施している個別相談は積極的に使ったほうがいいと思います。親の心配をぶつけることで、学校選びのいいたたき台が作れます。「部活と勉強はどのように両立させているのか」、「高校には全員上がれるのか」、「入学後、塾を併用している子は多いのか」、「スマホの持ち込みはどうなっているのか」、「勉強についていけなくなった場合のフォローはあるのか。」、など。いじめ対策についても「スクールカウンセラー常駐です」と言われたら、さらに「担任の先生からは、どういった対応をお願いできますか」と畳みかけても全然問題なかったです。実際この質問をした学校に入学した娘が、中1ギャップ(中学入学後、定期試験へのプレッシャーや新しい人間関係、部活と勉強との両立の難しさなど、小学校との違いの大きさから起こる様々な問題)に直面したとき、成績の急降下がきっかけではありましたが、早い段階で学校から家庭への働き掛けがありました。こうしたセーフティネットに関して、親が考えつく心配事がクリアできるような回答が学校から得られれば、思春期の子供を安心して預けられます。

 また、文化祭などに子供を連れて行ったら、親は、そこに通ってる生徒さんたちに臆せず声をかけてみましょう。それも、表舞台に立つ子だけではなく、廊下で固まってしゃべってる子や展示当番で暇そうに座ってる子に。「うちの子、来年受験するんだけどね」そう前置きするだけで、ぐんと話しやすくなります。

 「部活の出し物もあるけど、当番はどうしてるの?」「男子(女子)がいないって実のところ、どう?」「宿題する時間ってホントはどれくらい?」返ってきた言葉自体だけでなく、答えてくれた生徒さんたちの様子もばっちり観察。そこにうちの子と重なる素振りや言葉は見つけられたでしょうか。

 こういった実際に学校の雰囲気を体感できる場では、子供自身の行きたい学校があぶりだされることも多いです。先程挙げた「子供から見た視点」ですね。子供は、親がどんなにその学校の卒業後のキャリアを熱く語っても、実感はできないものなんだと思います。でも、実際目の前にいる先輩方の言ってること、やってることからなら想像し共感できる。だからこそ、文化祭やクラブ体験などで、実際に生徒さんたちに話しかけてもらったり構ってもらうことが重要ポイントになります。「科学部が楽しいかと思ったけど、自分たちの事ばっかりでつまんない」、「お化け屋敷サイコ―!クラスごとにやってるから1年でもできるんだって!」、「朝テストで受かんないと部活行けないらしい。だから、あんまできないと先輩が教えてくれるんだって」、などなど。

 子供ならではの視点を、そんなんだったら自分で工夫すればいいでしょ、なんてあしらわないであげて下さいね。子供には子供なりの性分というか、持ち味がすでにありますよね。そこが「ここは大好き!」、「ここじゃ俺は浮く」と告げているなら、無理強いはできないんです。だって、毎日学校に通うのは子供自身なんですから。

 子供の言うことに納得できない?うん、忘れちゃいけないのは、ほら、そもそも私たち親が事前に学校の絞り込みを行ってるという点です。それなのになぜか、ここでいいのかと最後まで迷ってしまう。ええ、結局は「親が」迷うんです。

 これを防ぐのには、志望校決めに関しての情報を、早いうちから子供と共有していくことに尽きるんじゃないかと思います。子供の感想も聞き、親が知ったことも伝え。そういったやり取りの中で、親も子も自分の軸や譲れないところがはっきりし、「自分が選んだ学校」=「熱望校」が生まれるんじゃないでしょうか。

 「なんか去年の文化祭よりチャラくね?」、「今年で全学年女子がそろったらしいから、男子は力が入ってんのかな」、「でも中学生は今までと変わんなさそう。だったらオレ、ダイジョブかも」、「高3は受験があるから別館で講習って言ってたから、他学年は余計楽しもうって感じが強いのかもね」などと息子と会話しながら歩いた学校は、今や彼の母校。

 こうした親子で共有している志望校であれば、直前期のプレッシャーの中でも投げ出さずに踏ん張れますし、入学後にトラブルや心配事があっても尻込みせずに動けます。

 最後まで偏差値が高いところに目が向かいがちな私達ですが、それと合わせて「子供の生活の場」としての学校選択を忘れずにいたいものです。

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