立正大学付属立正中学校
共学校

コラムリーディングに取り組む生徒
コラムリーディングと国語教育が育む
論理的思考・表現力、そして生きる力
[ この記事のポイント ]
「R‐プログラム」で教育改革が順調に進行中。
コラムリーディングで他者を受容できる柔軟性を育む。
自分の意見を伝える喜びと楽しさを知り、教科学習が活発に。
コラムリーディングで 授業が変わる、生徒が変わる
〈Research(調べる)〉〈Read(読み取る)〉〈Report(表現する)〉の3つの力を養うことを目的とした立正中学校独自の教育プログラム「R‐プログラム」。導入されてから2017年度で5年目を迎えた。
「R‐プログラム」の柱となる活動は、中1から高1で行われるコラムリーディングだ。週2回、ショートホームルームの時間に新聞や雑誌のコラムを読んで自分の意見を作文にまとめ、発表する。取り上げるコラムは教員がセレクト。中1では導入段階として生徒にとって親しみやすいテーマを取り上げて文章の読み書きと発表に慣れさせることに始まり、中2からは徐々に難易度がアップ。時にはディスカッションも行われ、論理的に自分の意見を述べる機会も増えていく。
コラムリーディングはクラスの担任教員が指導している。「私の場合、最初に結論、それに対する予想される反論、その上で最終的な結論を導く展開をつくってもらいます」と、数学科の安田紘之教諭は自身の指導について語る。実は、これが数学科での授業に相乗効果として表れている。「一般的に数学は閃きが大切だと言われますが、ゴールを設定して逆算していく側面も持ち合わせています。解答の1行目は閃きから降りてくるわけでなく、『これが欲しいから、こういう式にする』といったように、考えを積み重ねるのです。つまり、コラムリーディングで〈最初の結論〉から考えを巡らせて真の解に到達させることと同じですね。論理的思考力がアップしたことで、数学の力も伸びてきました」。
生徒の変化は教科学習だけでなく、学校生活での姿勢にも出ている。「意見が異なる友だちと接する時、以前なら一方的に自分の意見を押し通す傾向がありましたが、今は相手の意見を受け入れられるようになり、穏やかな関係性を築けるようになった。まだ中学生ですから、自分の思いをぶつけてしまうこともある。でも、『なぜ、自分はこう思うのか』をきちんと説明できる生徒が増えました」と、安田教諭は語る。