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慶應義塾中等部
共学校

新入生は慶應義塾大学三田キャンパスを見学
モデルは英国のパブリック・スクール
リベラルな校風が〝社会的知性〟を育む
[ この記事のポイント ]
自由を与え、生徒を信じて見守る教育が「独立自尊」を実現。
確かな知識とそれを運用する力をつけ、社会的知性を養う。
自分の将来像のヒントをつかむ「キャリア講座」を開催。
慶應義塾の中でも福澤精神を 最も色濃く引き継ぐ学校
150年以上の歴史を持つ慶應義塾の教育理念は「独立自尊」。この理念には、幕末の時代、平等の精神を米国で、民主主義を英国で目の当りにした創立者・福澤諭吉の思想が如実に現れている。ちなみに義塾とは、福澤が教育の手本とした英国のパブリック・スクールの訳語。日本の新たな教育を模索した福澤の理想は、校名にも映し出されている。
中等部は慶應義塾の中でも福澤の精神を最も具現化した学校と言えよう。戦後間もない1947年に開校した同校は、従来の教育への反省に立つと共に、日本の私立学校の中でもいち早く共学化に踏み切って男女平等を実践するなど、当時からリベラルな方針を打ち出していた。
さらには「独立自尊」をかなえるために、創立以来、自立した個人を育む自由な教育を行うことを目標として掲げる。「自由の実践のために、本校では極力〝べからず式〟の校則を設けていない。自由の中で、自ら考え、判断して行動し、その行動に責任を持てる人物になってほしい」と、山﨑俊一中等部長は語る。例えば、同校では通学時の服装は原則として自由としているが、これは自分自身でどのような服装がふさわしいかを考える自由があるということ。生徒は教職員を〝さん〟付けで呼ぶといった独特の文化も福澤に倣ったものだ。山﨑中等部長は「生徒も教員も互いに個人として尊重した上で、それぞれの立場から自由に交流できる、そんな風通しのよい人間関係が明るい学校をめざしたい」と語る。