国学院大学久我山中学校
共学別学校

3年間で90種類行われる理科実験の様子
理科や社会科で磨き上げた思考力が
キャリア教育と結びつき、大きく花開く
[ この記事のポイント ]
理科夏期課題で自分の興味から理科への深い理解につなげる。
本格的な論文作成に挑戦する修学論文。論理的思考力も向上。
実践的なキャリア教育を展開。経済同友会と連携した授業も。
合言葉は「自分でやってみる」 自主研究で理科的素養をはぐくむ
国学院大学久我山のシンボルであるヒマラヤ杉のそばにある正門をくぐった先には、都心とは思えないほどのゆったりとしたキャンパスが広がっている。部室や各種設備を備えた「錬成館」と呼ばれる棟や人工芝グラウンドなど、施設はかなり充実。もちろん、学習設備も整っている。特筆すべきは4階建ての「理科会館」。各フロアを化学、物理、生物、地学の分野ごとに割り当て、それぞれに専用の実験室が完備されている。生徒は中学3年間で約90種類もの実験に取り組む。教科書を精読すれば理解できる現象も実験を行って本物に触れ、これがサイエンスマインドの醸成につながっている。
さらに同校の理科教育では、中学全学年に理科夏期課題を課し、個々で理科工作や研究、実験などに取り組む。生徒は5月下旬ごろにテーマを考えて内容や手順を企画書にまとめ、教員が添削。このやりとりを2、3度経て、夏期休暇中に課題を進める。理科の杉田貴之教諭は「インターネットや書籍を参考にしてもかまわない。ただし、それらをなぞるのではなく、必ず独創性を加えてもらいます。条件をかえるなど、考え工夫することで傾向や法則が見えてくる。理論の成り立ちを感じ取ることができるようになります」と語る。
この経験は高校での理科学習や受験勉強で大いに生かされている。理論を暗記するのでなく、経験を通じて自然と理解できているため、演習問題がスムーズに解けるようになるという効果が実際に出ている。