山脇学園中学校
女子校

SI 部有志が「エコマイレッジチャレンジ2019」に出場。モノづくりの楽しさを存分に味わいました
限りなく興味を刺激する3つのアイランドで
女子の秘めた才能を大きく開花させる
[ この記事のポイント ]
1.好奇心を持って探究する力を育むサイエンスアイランド(SI)。
2.国際社会で活躍する志と資質を育むイングリッシュアイランド(EI)。
3.探究的学びを実践するリベラルアーツアイランド(LI)。
科学への好奇心を喚起させるサイエンスアイランド(SI)
科学への志と技術を育むための様々なプログラムが行われる場所、サイエンスアイランド(SI)。ここで行われる授業の一つとして、中1・2年次に行われるのが通常の理科の授業とは別に週1時間行われる「サイエンティストの時間」がある。物・化・生・地・数に関する題材を通して深い思考を行っている。
「思考する上では、まず対象とする物や事をじっくり観察することから」と探究主任・理科の大島教諭。例えば、中1の夏までに完成させる「プランクトン図鑑」。屋外実験場の池の水を使い、1人1台の顕微鏡で50分間じっくり観察。しっかりと形をトレースしたスケッチや、観察したままの特徴を自分の言葉で仕上げたレポートをクラスごとにまとめて図鑑にする。丁寧な観察を通して得た情報を吟味していくことで、疑問や課題が生じ、これを解決しようとする過程の中で深く考えていく楽しさを実感していく。
ここで特に注力するのが、楽しみながら取り組むことだと大島教諭。実は、女子は科学への興味を実感することで驚くような実力を発揮することが多い。正しい情報収集と洞察から生まれる疑問や課題などの思考が、好奇心をもって科学的リテラシーを身につける上での土台となっている。さらに、感性も磨かかれていく。
中3の『科学研究チャレンジプログラム』は希望制で、昼休みや放課後にSI内の継続研究室で本格的な研究活動に1年間取り組む。研究グループは3つ。ロボットグループでは東京都立大学や東京理科大学の教授から助言を受けロボットを開発。PCグループではパソコンやスマートフォン上で動くアプリ製作や、CADを用いて3Dモデリングを設計。生物グループでは身近な生物を試料として、「環境の変化によるサボテンの成長の変化」「マングローブ以外の植物の耐塩性」「ミドリムシの増殖特性」など様々な研究を行っている。同プログラムでは課題は与えられず、自ら課題を発見することから始まる。そのハードルは高く、「最初の数ヶ月は研究テーマ・課題決定に悩み試行錯誤するが、これは貴重な経験」と大島教諭。同プログラムは自然科学分野の研究について、自分の興味関心、適性を確認する機会になっており、自身の将来の進路を決めていく上での判断基準としても大いに役立つという。
さらに高校でも研究を続けたい生徒には、SI部の継続研究班が設けられている。「高校で継続する場合は、自分の興味だけでなく、社会性を持ち、社会貢献できる自然科学の研究を意識できるよう指導している」と大島教諭。今年度の研究成果は、マングローブ学会や甲殻類学会などでの発表のほか、車を製作し、ガソリン1ℓの走行距離を競う『エコマイレッジチャレンジ』などにも参加した。大島教諭は「科学的思考は、同様に社会・人文科学で物事を思考する土台にもなる」と語る。SIでの学びは、生徒たちの自然科学への志に留まらず、広く社会に目を向けた志を育む場にもなっている。