桐光学園中学校
共学別学校

TOKO SDGsの校内掲示用ポスター
TOKO SDGsで生徒主体の学びを構築他者と関わり自己を高め、未来を拓く
[ この記事のポイント ]
1.国連SDGsを中高生の身近な問題に置き換えて考える。
2.様々な「ものの見方」を学ぶ「大学訪問授業」。
3.中高生活の中で、一生続けられる好きなことを見つける。
「TOKO SDGs」の内容を教員と生徒で1年かけて準備
桐光学園では、今年4月からスタートした「TOKO SDGs」のためのプロジェクトを、昨年度から時間をかけて進めてきた。
「SDGs」とは、15年に国連サミットで採択された、持続可能でよりよい世界をめざす30年までの国際目標だ。しかし国連の掲げる17の目標は、中高生にとっては必ずしもすべてが切実というわけではない。そこで、同校では中野浩校長を中心に、同校と縁のある有識者とも議論を重ね、桐光オリジナルの17の目標を設定した。1「生」・「死」、2「豊かさ」、3「自己」・「他者」、4「学ぶ」、5「デザイン」、6「境界」、7「善」と「悪」、8「自由」、9「幸せ」、10「自然」と「人間」、11「格差」、12「メディア」、13「性」、14「宗教」、15「芸術」、16「言葉」、17「暴力」である。そして、それぞれのテーマを考えるための具体的な項目を「TOKO SDGs実行委員会」で策定した。委員会には中1から高3までの生徒が立候補し、210名が参加。各自が興味のあるテーマのグループに入り、それぞれのテーマにつき10項目を作るにあたって議論した。「関心のある分野にバラつきがありました。『境界』は当初、ゼロ。『格差』には23名が集まりました。そこで、自分のテーマが終わったら、別のテーマに参加してもらうことにしました」と中野校長。すると当初興味をもたれなかった「境界」について、学び、考えるうちに、実は身近に男女の境界、健常者と社会的弱者の境界など様々な境界があることに生徒たちは気づく。そこから議論が始まる。
こうしてできた17の目標、170の項目による「TOKO SDGs」は、この4月から授業や放課後の講習(同校には資格取得や料理・陶芸、さらには教科ごとに難関国公立・私立大の対策講座まで、600もの講習があり、大きな特徴の一つとなっている)の中で、生徒が自ら調べ、考え、意見を述べ、相手の意見を聞いた上で、自分の意見を振り返るというスタイルで運用されている。