日本女子大学附属中学校
女子校

中2「壁じゅう提示版」。授業や課題で制作した同級生や先輩のレポートを参考にできる
書くことが全てのはじまり。廊下を囲む先輩の
文章が、自分で道を切り拓く「意志」を育てる
[ この記事のポイント ]
「調べる」「議論する」「表現・発信する」ことを国語で鍛える。
教科の学習を図書室がサポート。作品の発表の場としても機能。
目標は受け身にならず、自らの意志で学び、道を拓く力の育成。
B4の白紙を埋める「作者調べ」 国語の時間に表現力を磨く
同校の廊下は、「壁じゅう掲示板」と呼ばれ、生徒たちの調べ学習をまとめたものが、びっしりと貼られている。 B4の真っ白な紙に、生徒が各自、タイトルや見出し、本文を、イラストや写真、表や図なども使って、読みやすくレイアウトする。圧倒的な文章量から、生徒の「表現したい」気持ちと「どうしたらその気持ちが伝わるか」という工夫が見て取れる。
同校では、中1から国語の時間で、作品に入る前に、「作者調べ」を生徒に課している。どんな人物なのか、他にどんな作品を書いているのか、それについて自分はどう思うかなど、参考文献もきちんと入れてまとめる。「当校では、6年間を通じてとても多くの文章を書く機会を用意しています。1年生のうちは苦労していますが、壁に貼ってある2、3年生の作品を参考にしながら、だんだんまとめるのが早く、上手くなっていきます。文章を書くことに慣れていることは、全ての学びの基本です。」と国語科の中原裕子教諭は話す。書くことに慣れミスが減ると、下書きがなくても直接ペンで書いていくことが可能になるという。
作者調べから始まる同校の調べ学習を支えているのが図書室。教科の学習に必要な資料を集めるほか、「便覧」で作者の他の作品を調べるといった、調べ方のノウハウをレクチャーするのも司書教諭の役割だ。また、国語と美術のコラボ授業では、自分の好きな外国の詩をみつけ鑑賞文を書いてから、絵を描く。この授業のために図書室では、参考資料に外国の詩のコーナーを作った。また、美術の授業で作ったBOOK BOXは自作の詩を入れて、図書室に展示されることになる。
生徒の作品は「自分」を表現し、他の生徒を刺激する。図書室は廊下の掲示板と同じく発表と交流の場でもあるのだ。