学習院女子中等科
女子校

顕微鏡を用いた観察
実験結果を受け止め考える理科的思考法 様々な人との対話でも力を発揮する
[ この記事のポイント ]
1.学校生活にある身近な自然に触れ、理科への興味を引き出す。
2.広い知識が求められる地学。他分野での学習内容の活用を意識。
3.理科教育で培った真理を求める探究心は卒業レポートで開花。
キャンパス全体が教室
実体験が学習意欲を伸ばす
「本物に触れる」「過程を重視する」「表現力を身につける」の3つを教育の柱として据える学習院女子。このことは、同校の理科教育にも表れている。例えば、中1で学ぶ生物。中学理科の導入として、自分たちの身の回りにある植物に触れることから始まり、スケッチをして部位や形を理解する、解剖をして構造を調べる、さらには一人一台顕微鏡を使用して組織を見るといったように、実体験を積みながら知識と観察眼を育む。
こうした学びを支えるものが、同校の恵まれた教育環境だ。校地は緑にあふれ、四季折々の自然を間近にできることから、授業では屋外での観察の機会も多い。さらに、校内の設備も充実。物理、化学、生物、地学の分野ごとに実験室と階段教室が完備され、中学では多くの時間を実験室で過ごす。
「理科では、事実に基づいて考えることが欠かせません。実験結果が仮説と異なっても、失敗だと決めつけてはならない。仮説にとらわれずに事実と結果から自分なりに考察を広げていくことの方が大切」と化学を担当する栗原ゆきの教諭は語る。観察も、実験でも、「見ただけ、やっただけ」で終わらせないために、事後の振り返りを重視。ゆくゆくは自分でレポートを作成できるようになるために、そのベース作りとして、中学段階ではノートの取り方から丁寧に指導するとともに、実験の手順やポイントなどをまとめた記入式のワークシートを配布。結論を導くまでの思考過程を辿りながら、レポートの書き方も感覚的に身につけることができる。