成城中学校
男子校

「数学統計」の授業の様子
みんなで伸びる中高完全一貫教育 先輩をロールモデルに世界へ
[ この記事のポイント ]
1.中高完全一貫校化、学習指導要領改訂をふまえたカリキュラムの構築。
2.先輩をロールモデルに集団で向上する本物の「学校力」。
3.世界を舞台に躍動する突き抜けた才能も輩出。
大学受験とその先を見越して6年一貫教育を構築中
成城中学校・成城高等学校は、2019年度から完全中高一貫校への移行を開始し、現在は6年一貫教育の骨組みを構築中である。来たる学習指導要領の改訂もにらんで、学校独自の科目を設置している。
例えば国語は、中3で「国語表現」を設置。テーマ別探究学習を行い、発表させてプレゼンテーションスキルを学ぶ。また中1において「数学統計」を設置。高校での教科「情報」を見据えて、ビッグデータ時代に対応すべく統計学の基礎を教える。英語に関しては中学各学年でネイティブによる英会話の授業がある。さらに高1で「英語表現」を設置。ネイティブと英語で展開される授業において、生徒はライティングによる表現をしていく。
英語の科目設定には「英語をどんどん使わせ、英語に対する敷居を低くする」という狙いがある。これがグローバル教育への架け橋となり、「エンパワーメント・プログラム」へと繋がっていく。毎年夏、同校にカリフォルニア大学など世界トップ校の学生を招いて希望者を対象に英語で議論・企画・発表を行うプログラムで、生徒たちは大いに刺激を受ける。これの発展型として、同校独自の「グローバルリーダー研修」を台湾やオーストラリアで展開している。近年は海外留学や、海外大学への進学を志望したりする生徒も少なくない。
中高6年間を3つの発達段階に分け、高2から希望制で文理の2コースに分かれる。一部の科目で習熟度別授業も行われるほか、近年の大学入試の多様性をふまえて、文理共通の「数学」や理系で「古典」の授業を設定。「早慶でも文系で数学を受験科目に採用していますので、生徒が様々に対応できるようにしたいと考えます。また、私は理系でしたが高校では文理問わず全教科科目を学び、それらが社会人になってから役に立っています。学びのすそ野を広げておくことが大事です」と栗原卯田子校長は話す。