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横浜女学院中学校
女子校

高校1年生CLILの授業、免疫を学習したのち、感染症について発表を行う生徒たち
教科横断型授業で多角的な視点を学び
科学オリンピックで深い思考力を育成する
[ この記事のポイント ]
1.「英語の横浜女学院」だからこそできる学びのかたちを実現。
2.「英語×理科」で社会における学問の関わりと広い視野を獲得。
3.中学で理科への興味を引き出し、高校で開花。理系進学者も増。
教科学習と英語学習と協働学習を組み合わせた学び「CLIL」
SGHアソシエイト指定校である横浜女学院。グローバルに活躍できる女性を育成するためにESD(持続可能な開発のための教育)が掲げる「持続可能な社会を創る価値観」「コミュニケーション能力」「リーダーシップ」「データを読む力」「代替案の思考力」「総合的な思考力」の6つの力の獲得をめざす。
このESDを英語で指導するため内容言語統合型学習(CLIL)を導入している。教科の学習内容をテーマとし、英語を用いて様々な言語活動を行う学習手法だ。同校では中3から高2のカリキュラムに盛り込まれている。授業はネイティブ教員と教科担当教員の2名体制で展開。ネイティブ教員の指示は英語だが、教科担当教員とのやりとりは日本語で行われることもある。「英語に特化するよりも、母語を交えることで、思考は深まる。例えば、調べ学習の結果を英語で発表するとき。いったん母語で知識を習得することで、一段深く考えることができるし、発表の内容も高度になる。CLILは英語4技能だけでなく、英語で考える力も養うのです」と理科の宮下直樹教諭は語る。
CLILには、タスクベースで学習を進めるという特徴も。これが教科学習への理解を深化させる。理科分野の「免疫」をテーマにした際、「感染症予防を啓発するプレゼンをする」という課題が出された。一人でも多くの人に知ってもらうには、日本語よりも英語で発信した方が情報は広がりやすい。免疫についても、現実社会にどのような影響を及ぼしかねないかを自分ごととして引き寄せることでアカデミックな内容に興味を持つきっかけになる。