瀧野川女子学園中学校
女子校

事業化実習の決算報告発表
東工大での研究生活から教育現場へ
工学の研究手法は女子教育に大きな効果
[ この記事のポイント ]
1.工学教育の特性を女子教育に組み合わせた新しい教育を実践。
2.起業家精神や創造性をはぐくむ同校独自の「創造性教育」。
3.難関大学の入試レベルの問いにも対応できる教科教育をめざす。
研究者から学校改革のキーマンに間近にした日本の教育の弱点
「中高生ぐらいであれば、誰もが一度は『学校の勉強が実社会で何の役に立つのか』と思うことでしょう。しかし、全教科の学びが、生きていくために必要なものばかりだと本校は考えます。それを生徒に理解してもらえる教育を実践しています」。こう語るのは、瀧野川女子学園の山口龍介副校長。ここ数年で国公立大学や難関私立大学への合格実績を伸ばした同校の教育改革を推し進めてきた山口副校長は、東京工業大学大学院でロボット創造学と経営を学んだ。その経験は、瀧野川女子学園の教育改革の礎になっている。「博士課程に在籍中、米名門大との交流機会もありました。その時、日米で教育の質がかなり違うと感じた。広い知識と深い専門性だけでなく、それらをビジネスにつなげられる力がなければ、国際的なシーンで遅れを取ってしまう。いわば起業家精神が足りないことを痛感しました」。加えて、現物や現場にこだわり、体験を重視する東工大の工学教育は、山口副校長の教育観にも大きく影響している。「学ぶものは、使うもの。使うから、学ぶ。こうした実践的な工学教育の特徴は、実は女子教育にフィットするのです」。