女子聖学院中学校
女子校

理科見学旅行で沖縄の離島を訪問
多面的な視点とアプローチ法を育む教育
社会での問題解決に大きな力を発揮する
[ この記事のポイント ]
1.多様な着眼点を持ち、自ら発見する思考力を育成する理科見学旅行。
2.遊びの要素を取り入れたトランプゲームで数学嫌いをなくす。
3.数学科の習熟度別クラス編成と充実した学習支援システム。
多様な着眼点が多様な発見につながる理科見学旅行
女子聖学院の理科見学旅行は、今年で50回を数える伝統行事だ。中2~高3の5年間にわたる希望制の旅行で、毎年夏休みに3泊4日~4泊5日の日程で行われる。世界遺産に代表される大自然の生態系のほか、各地の先端産業から伝統産業まで幅広く目を向け、それらを支える科学的・技術的側面も学ぶ。これまで訪れた地域は北は北海道から南は西表島まで日本全国に及ぶ。理科の相澤義徳教諭は「多様な着眼点を持つことが多様な発見につながることを実体験させたい」と語る。一回の旅行で物理・化学・生物・地学の全科目の見学要素を盛り込むことが同行事のこだわり。また、「食事は〝地のもの〟という裏テーマもあり、郷土料理や土地の食材は地域の気候風土に深く結びついていることを知るきっかけになる」という。
各見学要素の背景知識の事前学習会は4月~6月にかけて10回ほど実施。各地を理科の視点から見学する経験は、普段の旅行では気づけない新しい発見をもたらす。生徒は、班ごとに課題を設定し、旅行中から旅行後の夏休みにかけて調査研究を行い、後に文集にまとめて発表する。中には5年間すべての旅行に参加する〝皆勤〟の生徒もいるほか、参加経験のあるOGからは「自分で調べたことをまとめ上げる楽しさに目覚めた」「今でも時間を見つけてはあちこち旅する」等の声が届く。体験を通し、多様な着眼点を持ち、自ら探究する力を育成する取り組みは着実に成果を上げているようだ。