跡見学園中学校
女子校

松井真佐美校長先生
大切なのはスモールステップと見守り
タブレットの活用で数学教育が進化する
[ この記事のポイント ]
1.校長も自ら教える跡見の数学で得られる成功体験と自信。
2.ICT導入でスモールステップと見守りが新段階に。
3.中3と高1の夏休み、外部の数学コンクールに全員参加。
数学を教科ではなく実生活で「使える」ことを理解させる
144年の伝統を持ち、常に「本物」に触れさせることで、しなやかで凛とした女性を育てることを目標におく跡見学園。同校出身の松井真佐美校長は数学教員としてキャリアを重ね、18年4月に跡見学園中学校高等学校校長に就任した。その経歴はユニークで、大学の応用数学科で統計学やプログラミングを学び、企業にSEとして就職。結婚・出産で一時は専業主婦となるも、教員として仕事を再開した。いわば、女性の生き方のすべてを体験してきた人物といえる。「どの企業でも数学を使うから、という理由で選択した数学は私の芯となっている学問です。これがあったから、人生の分岐点で自分を最大限に発揮できる道を選ぶことができました。本校の生徒にも、学校生活の中で、自分の芯を育て、将来、曖昧な世の中にあっても自分をプロデュースできる力を身につけてほしいと願っています」と松井校長は話す。校長になってからも教壇に立ち、数学を教えているが、その際、大切にしているのは数学を単に教科として教えるのではなく、広く世の中で「使われている」ことを教えることだという。例えば、カメラはなぜ三脚を使うと安定するのか、GPSで場所を特定できるのはなぜなのか。そこから数学に興味を持たせ、実際に問題を解いていく。「単純な穴埋め問題でも、最後まで自分の力で解けた達成感は、数学が苦手な人ほど自信につながります。明快に答えが出る数学は、そうした小さな成功体験の積み重ねにとても向いているのです」と松井校長。