女子美術大学付属中学校
女子校

授業では、積極的に黒板で解かせることでプレゼンテーションの機会を増やしている
「美術×数学」で数学好きが増加中
美術で得た感性が、数学の本質を理解させる
[ この記事のポイント ]
美術と数学の共通項の気付きを促し、モチベーションアップ。
数学にも美を追究させ、物事を深く考える力をつける。
キャリア教育が充実。大学の教授を招いたプログラムも。
女子美生らしい感受性で ユニークな観点から学問を理解
作品の制作に、学校の行事にと、持ち前の創造性と好奇心を発揮して夢中で取り組む女子美生たち。その集中力や実行力は教員陣も目を見張るほどだ。こうした生徒のひたむきさは、何も美術や学校行事に限ったことではない。主要5教科の学びの場にも表れている。
例えば、数学の授業でのこと。2次不等式の演習問題を解いた際、χの値が3以上、3.1未満という解が出た。すると、ある生徒が「先生、この解の数値の範囲はあまりにも小さく、はかない分量ですね」と、悲しそうにつぶやいた。「一般的に数学は、正答を出すことが一番の目的。それも大切ですが、この生徒はその分量を自分なりに想像し、実感したのでしょう。本校の数学科では、数学的センスだけでなく、あらゆる物事に対する感性を育むことも大切にしています」と、教務部主任であり、数学科を担当する髙城史子教諭。さらには次のように語る。「美術と数学には共通項があり、どちらも知識や経験を融合させて新しい美を発露させていく。つまり、美術では、培ってきたテクニックや感性から作品を生み、数学では、学んできた公式や法則を使って解を導く。美への強いこだわりを持つ女子美生だからこそ、数学ならではの美に気づき、学問としての数学への興味にもつながっていくのです」。