東京電機大学中学校
共学校

カンボジア・スタディツアーの様子
生徒たちの夢と挑戦を進化させる
国際教育とTDU4D‐Lab
[ この記事のポイント ]
1.海外英語研修ホームステイなど、海外での学習の機会が盛ん。
2.国内名門大学に学ぶ海外留学生との交流が大いなる刺激。
3.自主性に任せた学年横断型の研究活動で問題解決力を向上。
プライベートな夢と挑戦が学校のプログラムと融合し進化
小学生の頃、環境問題に興味を抱いていた高3生のOさん。「当時は、大人になったらWWF(世界自然保護基金)に入りたいと思っていました」という言葉にも表れているように、高い意識と向上心を持っており、東京電機大学中学校入学後も持ち前の好奇心を発揮してめきめきと成長を遂げてきた。
その第一歩となった出来事が、中学時代に参加した「FIRST LEGO League(FLL)」。9~16歳を対象とした世界規模のロボット競技会だ。チームのステートメントを発表する「コアバリュー」、ロボット技術を競う「ロボットデザイン」、与えられた社会問題について解決策をプレゼンする「プロジェクト」の計3種目にチーム単位で取り組む。彼は中1から他校の仲間と共にこの大会にチャレンジし、中3で日本大会を突破して世界大会に出場、さらには総合優勝を果たした。「23ヵ国から集まったチームと競いました。発表やコミュニケーションは、すべて英語です。このときの『プロジェクト』のテーマは『ごみのゆくえ』。個人的に興味を持っていた分野でしたが、他国のチームの発表を聞いて、問題が起こっているのは日本だけではないということに気づかされました。世界的な視野を持っていなければ、真の解決策は出てこないと思いました」とOさん。
その後、彼は語学力と国際感覚に磨きをかけようと、希望者を対象とした同校の国際プログラムを徹底活用。高1夏に海外英語研修ホームステイでシアトルに渡り、冬には校内で開催されたエンパワーメントプログラムに参加。日本に留学している海外大学生を招き、5日間にわたってディスカッションを重ねた。「留学生は優秀な方ばかり。ある留学生が自身の体験談を交え〝ネバーギブアップの精神〟を教えてくれました。努力を続けるからこそできること、つかめるものがあるのかもしれないと感じました」。
高2で参加したカンボジア・スタディツアーでは、現地の小学生に日本語と英語を教えるなど、ボランティア活動にも打ち込んだ。「いろいろな海外体験を通じて、物事を多面的に見ることの大切さを実感しました。例えば、他国のことを調べるとき、ネットで簡単に情報は出てくるけれど、現実はそれだけじゃない。実際に現地に行って肌身で感じなければ気づけないことがたくさんありました」。もちろん、語学力も飛躍的に向上した。将来は海外進学や就職をめざし、語学力を磨いている。