東京農業大学第一高等学校中等部
共学校

学問の楽しさを追求する「一中一高ゼミ」の様子
新しい学習の体系がさらに進化する
社会で必須な思考法を学ぶ新教材を導入
[ この記事のポイント ]
1.「好き」と「学ぶ」をつなぐ『一中一高ゼミ』と『課題研究』。
2.実社会で通用する思考力を育む新教材『エナジード』の導入。
3.英語嫌いにさせない土台を作る中1『イングリッシュキャンプ』。
学習ではなく学問の楽しさと研究力を学ぶ
『知耕実学』の理念のもと農大一高では、様々な経験を交え、学びの面白さを追求する機会を提供する。その一つが『一中一高ゼミ』だ。知を拡げる・知を深めるをテーマに、複数学年を対象としたゼミを毎月開講し、答えのない問いについて思考する力や主体的に学ぶ姿勢を身につけていく。一例を挙げると「Science in English」「世界を読み解くテクスト論」「数学を目で見よう」「AIを考える」「めざせ フィールドワークの達人」などの教養講座や専門講座、教科横断型講座の他、模擬国連や数学オリンピック等、外部コンテストに向けたゼミも開講する。社会科の桐生正史教諭は「学習ではなく学問追求の楽しさの実感が目的。好きなことと、学ぶことがつながる発見は生徒の大きな駆動力になる」と語る。今後は生徒自らがテーマを掲げ、関連教科教員がアシストする体制で生徒発信・主導のゼミにも着手。生徒の好奇心、興味を学問探究へとつなげる端緒となることをめざしている。
中等部の集大成となるのが、約1年以上をかけて1つのテーマに関する探究を深める『課題研究』だ。医療、経済・経営、心理など多岐にわたる分野の中から自分でテーマを設定し研究を進める。担当教員からのサポートを受けながら、各自調査を行い、夏休み明けには論文を提出し、3月にポスターセッション形式で最終発表する。桐生教諭は「研究の手順や手法など学問的思考法、論文作成法を知る第一歩となる」とその意義を語る。