学習院女子中等科
女子校

中・高6学年のHRがある本館
「異なる社会の理解」と「豊かな表現」
日本文化を継承する精神に見える国際性
[ この記事のポイント ]
1.すべての学びにおいて「自分の考えを表現する力」を重視。
2.国語科「表現」の授業で、表現の重要ポイントを徹底指導。
3.日本文化の素養を身につけ、世界でも活躍できる女性を育成する。
豊かな表現力は相互理解の精神にむすびつく
国語の入試問題を見れば学習院女子の特色は一目瞭然。その内容は漢字の読み・書きを除いたすべての問題が長文読解による記述式。言葉を尽くし一問一問解くことで課題文を理解できる構成になっている。
「自分の考えを言葉で表現する力」を重視する同校の教育。表現とは、学びを主体化する作業にほかならない。例えば中3「現代国語」のある授業では、芥川龍之介の『少年—海』を題材にグループワークに取り組む。作品を熟読し、互いに疑問を出し合い、それをレジュメにまとめて発表する。これで1時間が終了だ。「入学後の定期試験でも単なる暗記的な知識では対応できません。いかに自分の頭で考えたか、それが問われます」と国語科の山下扶己教諭。
そして、自分の考えを〝どう表現するか〟も重要だ。正しく豊かな表現力を身につけるため、同校の国語科では中1より「表現」という授業を設定。週1時間、少人数の分割授業で手厚い指導を展開する。中1「表現」の最終目標は3分間スピーチだ。自ら選んだ新聞記事について考察をまとめ、原稿を見ることなく堂々と発表できるレベルにまで持っていく。その取り組みの中で、説得力をもって自分の意見を伝えるためには具体的な根拠が必要なこと、異なるいくつかの立場があることなど、表現における重要なポイントも体得する。「正しい表現方法を身につけることは、他者を正しく理解する力にもつながります。相互理解を促すコミュニケーションの礎ともなるのです」と山下教諭は話す。