女子美術大学付属中学校
女子校

自由な想像力と、自在な創造力で
困難も課題も痛快に越えていく!
[ この記事のポイント ]
女子美術大学付属中学校 校長・石川 康子
女子美術大学芸術学部絵画科洋画専攻卒業。絵画教室主宰、建築デザイン事務所勤務を経て、神奈川県立高校専任教諭となる。以後教頭、副校長を務め平成20年4月より校長に就任。その間全国高等学校美術・工芸教育研究会副会長、神奈川県教科研究会美術工芸部会会長等を歴任し、平成26年4月より女子美術大学特別招聘教授、現在に至る。平成29年4月より女子美術大学付属高等学校・中学校校長に着任。
美術力は「プレゼン力」。閃きをカタチや言葉で伝える勇気と技
教員1年目、私は課題の多い公立高校で、生徒たちに大切なことを教わりました。それは、「美術の魅力は、絵を上手く描けるようになることではなく、思った通りに描けることで自分に自信が持てるようになることだ」ということ。ただの○や□の組み合わせを変えるだけで独創的なデザインになるよと背中を押しただけで、自己肯定感が低い生徒が次々とすばらしいデザイン画を描き始めるのです。そしてそんなやる気を、社会で、いえ、世界で通用する表現力へと開花させ、高める術を持つのもまた、美術。子どもたちの力を引き出し、目に見えるカタチで育めるのが美術教育の面白さであり強さなのです。
女子美でも、中1の美術はまず、友だち同士で色づかいに感動し合ったり、同じ風景を観て描いたのに全く異なる構図に驚き合ったりする体験を通じて、互いの自分らしさを認め合い、自信を持つことから始まります。そして、誰に勝つためでもなく自身が心から納得できる自分になるための6年間、子どもたちは作品と、自身と、全力で向き合いながら学び、試行錯誤し、挫折し、葛藤し、たくましく成長して巣立っていくのです。
AIがその存在感を着実に増す社会で今、人間に求められる「独創性」「アイデア」「表現力」、これらはまさに100年前から本校が育み続ける「美術の力」です。社会がそれを必要とし、人々がこぞって身に付けたがる、そんな時代がようやくやって来たかと感じる昨今ですが、さらにその先を楽し気に歩いてゆくのが女子美生。だからこそ、その未来は力強い可能性と笑顔に満ちています。