神奈川学園中学校
女子校

「国内でもグローバル」にて地域社会を学ぶ
内面から芽生える探求心を体験学習で深め
多文化共生時代の適応力を供えた人を育てる
[ この記事のポイント ]
2014年からスーパーグローバルハイスクールアソシエイト校に認定。
中3の海外研修、高1の国内フィールドワークで課題解決の方途を探る。
2020年大学入試改革にも対応する、高2の「探究」の授業を用意。
身近にある地域社会に出向き 多様な文化への理解を深める
2014年からスーパーグローバルハイスクールアソシエイト校に認定されている神奈川学園。昨年、同校は、海外研修を国際情勢の関係から見合わせる判断をした。しかし、この出来事をきっかけに、学校側が子どもたちのために何ができるかを模索した結果、ワンランク上の新たなグローバル教育が歩みだした。
その新たな取り組みの一つに、中3と高1で実施した1日研修「国内でもグローバル」がある。日本で進むグローバル化を前に、自分たちに何ができるかを考える取り組みで、イスラム教の施設である東京ジャーミー、外国にルーツを持つ人々が多く住むいちょう団地などを訪れ、多様な文化を理解し、国際問題を考える貴重な体験を行った。
「今後子どもたちが生きていくグローバルな世界では、相手の文化的背景を知り、相互理解を図りながら多くの人々と手を携えていく必要があります。こうした体験は必ずしも海外に行かなければできないわけではなく、私たちの身の回りにある地域社会に目を向け、多様な文化を知ることでも深い学びや気づきが得られるのです」と及川正俊教頭。
内容を根本から見直した海外研修は、5方面に分かれていた行き先をニュージーランドとオーストラリアに集約。「ホームステイプログラム」を中心にすることで生徒の安全を最優先した。事前学習でコアラの頭数が増えて食害が増えている現状についてディベートしたりニュージーランド研修では、地熱発電を見学してその長所や課題を考察するなど、恩恵の裏側にある損失にも目を向け、複眼的な思考の育成をはかる。「こうした経験は、世界で問題になっているさまざまな課題を他人事にせず、当事者意識を持って考える一助にもなっています。さらに海外生活を体験する中で、自分たちの国のことを知らなすぎる事実にも直面するのです」(及川教頭)。