武蔵野大学中学校
共学校

人への思いやりや幸せを願う心を大切にする田中教照学院長
「思いやりの心」や高い倫理観をベースに
グローバル教育と課題探究型教育を展開
[ この記事のポイント ]
1. 思いやりの精神と共感力を育てる「宗教の時間」。
2. グローバル社会を生き抜くために必要な英語力の育成。
3. 「土曜特別講座」で養う課題を探究する力。
仏教だけでなく他の宗教も学び 思いやりの心を育てる
仏教の基本的な考え方は「縁起」。すなわちすべての生命は互いにつながっていて、親と子も、教員と生徒も、互いに助け合っている存在。自分さえよければいい、という自己中心的な考え方を反省し、人を思いやり、共感し、人の幸せを願う心を育てることが大切なのだと説く。同校ではこの仏教的な慈悲の精神をすべての教育のベースに置き、どんな世界に身を置いても、自然と周囲に人が集まってくるような、豊かな人間性を持つ女性の育成をめざしている。特徴的なのは、毎朝5分の「礼拝の時間」と週1回の「宗教の時間」。ここでは、仏教だけでなく、西洋文明を支えてきたユダヤ教やキリスト教、世界で最も信者が多いイスラム教なども学ぶ。また、高校生になると、安楽死やiPS細胞など、答えの出ない「生命倫理」について考えさせる授業も行う。「例えば宗教対立は、『宗教』そのものが原因ではなく、宗教を利用する『人』の問題です。生徒には、『宗教の時間』を通して、相手の立場に立って考えること、答えの出ない問題を考え続けることの大切さを学んでほしいと考えています」と田中教照学院長は語る。