文教大学付属中学校
共学校

2016年、全教室に電子黒板を完備した新校舎が完成
社会とつながった日々の授業の学びが
日豪台…国境を越えた進学の道を開く
[ この記事のポイント ]
1. 社会への興味を育み、学習意欲を喚起する校長の月曜朝礼。
2. 学校改革により難関大学への進学実績が激増。
3. 多彩な海外プログラムで海外大学への進学もバックアップ。
日々の学習と教養を結びつける 戸田校長の月曜朝礼
文教大付属は今、「進学力強化」をめざした学校改革のさなかにある。平成28年度より就任した戸田弘美校長は、都立新宿高校校長を努めたほか、数々の教育困難校も立て直してきた手腕の持ち主だ。そんな戸田校長の教育信念は「人間としての成長なくして進学力の向上なし」。人間としての成長とは、一つに教養を磨くことだと言う。「生徒には日々の学習が机上のものではなく、社会と密接に結びついていることを知ってもらいたい。それが学習を動機付ける重要な基盤にもなるのです」。
そこで毎週月曜の朝礼では、校長自ら生徒の知的好奇心を刺激するショートスピーチを行っている。テーマは「教養・時事問題・文教大付属の教育」の3つ。「教養」の週には、時代小説『天地明察』を引き合いに和算家・関孝和が一瞥即解した幾何の問題を紹介し解答を募ったり、「文教大付属の教育」のテーマではロヒンギャ難民などを取り上げ、校訓の「人間愛」に基づいて世界情勢を考えさせたりしている。
その他、折に触れて新聞や読書を勧めてきた戸田校長。すると、面白い動きが起き始めた。小論文選択クラスの生徒が毎日、意見感想を添えた新聞の掲示を始めた。図書室では「人間愛に生きた人々」というコーナーが常設され、本を読んだ生徒から感想文が届くようになった。いずれも生徒と教員が一丸となって生まれた取り組みだ。戸田校長がその活動を朝礼で紹介することで、さらに生徒の興味が喚起されるという相乗効果が生まれている。戸田校長は「朝礼が、社会に対する問題意識を育む一つのきっかけになれば」と話す。