非公開:
帝京中学校
共学校

授業ではアクティブ・ラーニングも積極的に取り入れる
日々の授業は、実用英語の疑似体験の場
授業以外の時間に大きく伸ばす英語力
[ この記事のポイント ]
1. 各コースに最適化した6年一貫の英語教育。
2. ネイティブ教員との会話を日常的に楽しむ環境がある。
3. 伝統の英語暗唱コンテストで「伝える力」を養う。
〝一日一回の遭遇〟が 英会話の主体性を育む
休み時間は生徒とネイティブ教員が談笑し、ランチタイムには共にお弁当を囲む——これが帝京の日常風景だ。英語の実用力不足が叫ばれる現代、帝京には〝使える英語〟にこだわった独自の学びがある。
同校は部活動との両立をめざす「一貫進学コース」と、大学受験対策に特化した「一貫特進コース」の2コース制。進学コースの英語は週6時間、そのうち英会話の授業が2時間だ。帝京ではこの授業を、日頃学んだ文法を試す疑似体験の場として重視する。授業は少人数&ネイティブ教員とのティーム・ティーチング。作文→発表→質疑応答と、生徒主体のアクティブ・ラーニング形式で進められる。その際教員は、細かな指示を与えない。「ミスを乗り越え発信してこそ、実践力が育まれる」と英語科主任の田中敬一教諭は話す。高い英語力を持つ生徒は個別に選び出し、特別授業を行うなど、きめ細やかな指導も魅力だ。
一方特進コースの英語は週7時間。そのうち英会話は1時間だが、約10名という超少人数クラスで密度の濃い発表体験を重ねる。文法の授業でも、文法的説明を省いてまず会話の書き取りを行うなど類推する力を鍛え、実践力の育成につなげる。
授業が疑似体験だとすれば、休み時間は〝実体験〟の場だ。中学のフロアにはネイティブ教員が常駐する「イングリッシュ・ラウンジ」があり、生徒にとって彼らは身近な存在。休み時間毎にネイティブ教員が廊下を行き交い、そこから自然に会話が生まれる。「一日一回の遭遇が毎日起これば、主体性は必ず身につく」と田中教諭。自ら話しかけに行く生徒も少なくない。
しかし中にはシャイな生徒もいる。そのような生徒には、昼食休憩をネイティブ教員と共に過ごす「ランチタイム」への参加を義務づける。仲の良い友人を同行させるなど雰囲気作りに配慮し、高い効果を上げている。「すべての生徒を引き上げる、そういう思いでやっています」。やわらかい口調ながら、田中教諭の表情に自信がみなぎる。