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東京女学館中学校
女子校

タスマニア文化研修には国際学級中3の希望者が参加する
数字以外の尺度で知る真の英語力
国際交流で自信と多様な視点を得る
[ この記事のポイント ]
1. 6年間で実践的な英語力と表現力をやしなう国際学級。
2. 一般学級も含め、海外研修などの国際的な活動の機会が豊富。
3. 他者の生き方や異文化も間近にし、一人の人間として成長。
世界に視野を広げた国際学級 どこでも活躍できる素養を醸成
東京女学館は1学年6クラスのうち、1クラスは英語教育に特化する国際学級。6年間、クラス替えがなく、帰国生と一般生が共に学びながら世界レベルの実践的な英語力とコミュニケーション能力を磨く。
中学入学時の語学力は問われず、英語初学者も受け入れている。英語の授業は習熟度別に行われ、全員が着実にスキルアップできる環境だ。中1では初級レベルでも、高校段階ともなると英語力のアドバンテージを持つ帰国生と同レベルに達する生徒もいるという。
そうした生徒にはある共通点が見られる。それは、自分の英語力を数字以外のモノサシで把握できた経験を持っていたことだ。「短期留学をした生徒はもれなく上のクラスに入りました。英語が通じたにしろ、通じなかったにしろ、海外での直接体験をした生徒は、それを機にぐっと伸びた」と、英語科の中村香織教諭。テストの点数、英検やTOEICなどのスコアに左右されずに、短くとも海外での力試しがその後の学ぶモチベーションにつながったのだ。国際学級主任のクリスタル・ブルネリ教諭は「学内では、帰国生のような、自分よりも英語ができる生徒が常にそばにいるため、どうしても『自分の英語力はまだまだ及ばない』と感じてしまう。本当は、国際学級での学びで飛躍的に英語力は伸びている。自分の真の実力に気付くのは、学外に出てこそ」と語る。
これをフォローするために、中3の希望者を対象としたタスマニア研修に加え、2017年度からは高1で全員参加のボストンリーダーシップ研修(BLAST)が始まった。これは国際コース専用のプログラムで、夏季休暇中、11日間にわたって米国ボストンのシモンズ・カレッジで、現地の大学生と交流しながらリベラルアーツやリーダーシップについて学ぶ。英語を「学ぶ」のではなく、「使う」ことを重視した内容となっており、力試しには絶好の環境だ。
「いずれの海外研修でも『自分はもっとできるのかもしれない』と、自己肯定感が持てるようになっていた」と、ブルネリ教諭。生徒の意欲に応えるため、米国ボストンにある名門女子校への1年間の派遣留学の道も開かれている。