晃華学園中学校
女子校

来校者に入校許可証をわたす
ライフガイダンスで視野の広い進路選択
自分の持つ才能=タレントを開花させる
[ この記事のポイント ]
1. 中1の校内職業体験は「ライフガイダンス」の入口。
2. 視野を広げたうえで目標を絞る、自覚的な進路選択。
3. 卒業後も広く社会で「ノブレス・オブリージュ」を実践。
「ライフガイダンス」の第一歩は 「校内職業体験」から
カトリックの精神に基づき、自分に与えられた才能(タレント)を伸ばし、活かすことで他者に貢献できる女性を育成する晃華学園。同校の「ライフガイダンス」は、世の中を知り、人生を真剣に考える機会となっている。
中学1年生の「ライフガイダンス」で実施されているのは「校内職業体験」だ。
中1担任の松元賢次郎教諭は、その意図を次のように話す。「レストランに入って、メニューの最初のページだけを見て料理を注文する人はいません。自分の生き方や職業を決めるのもそれと同様で、具体的な仕事内容や、それを選んだ価値観など、多様な選択肢を知った上で選ぶべきです。ところが、中学生の知っている職業や生き方はごくわずか。同じ学校空間で生きる用務員や警備員の方々の職業を生徒が体験することで、職業観・人生観を広げて欲しいと考えました。」
2学期、中1全員が用務員の指導でキャンパス内の落葉を掃き掃除したり、警備員の指導で校内巡回をしたりした。その後、仕事内容や仕事に対する思いについてインタビューを行い、その体験をグループごとにまとめた。「この学校では「ほこりアレルギー」の私がくしゃみや鼻水がでない。それは掃除してくださる方が、見えない部分まで掃除してくださっていたからだ」「私達は実際の仕事の一部分しか体験していないのですが、警備員の仕事は寒くて、警備するのは大変だと思いました」など、学校生活を支えてくれている人たちの配慮・努力・苦労に気がついた。その上で、「掃除道具を大切に、きれいに扱えば掃除もスムーズに行うことができます。ほうきを使った後は、ついたゴミを丁寧にとりましょう。」「運転するときには、神経を使うので、なるべくバスの車内では、静かにするようにしましょう。」など、用務員、警備員の方々の負担が減るように、協力を呼びかけていた。
「生徒は今まで気が付かなかった身近なところに大切な職業があったこと、そしてその職業が自分たちの学校生活を支えていることに気がつきました。この気づきが、職業観・人生観を広げるだけでなく、用務員の方々、警備員の方々への感謝の気持ちと、協力の呼び掛けを生み出したのだと思います。そして生徒たちは、晃華学園を卒業するまで、これらの方々にお世話になることで、同じ学校空間で共に生きる人間同士の支え合いを、身をもって学んでいくのだと思います」(中1学年主任、安藤真由美教諭)