神奈川学園中学校
女子校

横浜中華学院の生徒たちとの交流会
世界の問題を構造的にとらえる
「現実」との出会いが問題解決力を育む
[ この記事のポイント ]
1. 神奈川学園流の国内外グローバル体験で真の国際理解。
2. 複合的な視点から物事を考える「国内フィールドワーク」。
3. ゼミ形式の授業「探究」で課題を論理的に解決へと導く。
中学段階で多文化共生社会の 一員であることを知る
2014年度、スーパーグローバルハイスクールアソシエイト校に認定された神奈川学園。大石圭子校長は「文化や言葉は違っても、人の心は変わりません。それを感じてほしいと思っています。人と人が共にあるためには、どうすればいいのか。これが本校の国際教育の出発点です」と語る。例えば、過去には同校の海外研修の行き先の一つだったトルコへの渡航が中東情勢の混迷により、あえなく中止されたことがあった。生徒にとって身近なものである学校のプログラムが、国際問題が原因でなくなってしまったという事実にぐっと踏み込み、「なぜ、トルコに行けなくなってしまったのか」を切り口とした学習が展開された。
「生徒には地球上で起こっていることを構造的にとらえ、解決に向けて行動できる人になってほしい」と、大石校長。その視点を醸成するものが中3の秋に行われる一日研修「国内でもグローバル」だ。日本最大のモスクである東京ジャーミイ、横浜中華学院、多国籍の人たちが住まう神奈川県営いちょう団地、海外にルーツを持つ人たちが多く暮らす川崎市桜本地区から一つを選び、フィールドワークを実施。グローバル社会とは、何も海外だけでなく、実は身近なところにも息づいていることを体感するとともに、異文化理解の重要性にも改めて気づく。
ここで芽生えた問題意識は中3の3月に行われる海外研修でさらに深められる。行き先は多民族国家であるオーストラリア、ニュージーランドのいずれか。多文化共生のためには何が必要なのか、生徒自身が振り返る機会となる。
2017年度は海外研修で広げた見識を発揮して「横浜提言」という取り組みが行われた。海外に行ったことで日本を外から見つめる視点が育まれるが、それを生かし、横浜を切り口として今日の日本社会にある問題を発見し、解決力を養うことが目的だ。