芝浦工業大学附属中学校
共学校

世界最大のロボコンWROは全国常連校
ロボットを動かすプログラミングに挑戦
ものづくりとの融合で進化する理工教育
[ この記事のポイント ]
本格的なプログラミングも学ぶ体験型の「ものづくり」教育。
豊洲新校舎への移転で設備が充実、授業内容もレベルアップ。
今年度から高校が共学に。芝浦工業大学との連携も進化。
最先端の「ものづくり」に必須の高度なプログラミングを学ぶ
大学院で設計工学を学んだ技術・情報科の岩田亮教諭は、生徒らに常に、技術者の視点でモノを見て、考えるように説く。例えば中2のラジオ製作の授業では、技術者倫理の観点から「このクラスを株式会社とすると、この中で1個でも不良品が出たら、会社がつぶれてしまう。一つ一つの工程を丁寧に、慎重に、臆病に取り組みなさい」。パソコンも、情報モラル・セキュリティが理解できるようになるまでは触らせない。次にタイピング練習を徹底する「中1の目標は5分で300文字。キーボードを打てないとプログラミングはできませんから」と岩田教諭。
ロケットやリニア、AIロボットなど、先端技術のものづくりにプログラミングは欠かせない。「社会に貢献する技術者の育成」をめざす芝浦工業大学附属中学高等学校が重視する教育の一つだ。
岩田教諭が顧問を務める中1から高3まで130人余りが参加する電子技術研究部では、レゴマインドストームを使ったロボット製作に取り組むなかで、実践的にプログラミングを学んでいる。アクティブラーニングの一環として先輩が後輩の指導にあたる。国際的なロボットコンテストWROの全国大会に2014年から3年連続出場。昨年はプレゼン部門で全国3位という成果が出た。またワークショップで地域の小学生にものづくりの楽しさを伝えている。
レゴをスタートとして技術者に必要な、新しいものをつくる創造力、自ら学ぶ意欲、失敗しても何度でも挑戦する粘り強さも身につく。鍵盤ハーモニカに自動演奏をさせるプログラミングに取り組んでいる高1のグループは、「リズムが複雑な曲は、プログラミングが難しいですが、やりがいがあります。文化祭に向けて、レパートリーを増やしたい」と意気込みを語ってくれた。