足立学園中学校
男子校

中学3年生の理科。タブレットを利用した授業
「こんなにおもしろい世界がある!」
生徒の将来を見据えた授業改革が深化
[ この記事のポイント ]
生徒一人ひとりに目が届く、ICTを活用した授業改革。
「学習意欲がわく授業」が目標。互いに教え合って学力が定着。
みんなで徒党を組む楽しさは男子校ならでは。地域にも貢献。
ICTの導入で生まれたのは授業を豊かにする「時間」
27年度から授業改革をスタートさせた足立学園。「ハウツー型の授業では、10年後、20年後の未来を生きる力にはなりません。そこで、すべての授業を見直すことにしたのです」と寺内幹雄校長はいう。具体的にはグループワークや調べ学習といったアクティブラーニングを導入し、プレゼンテーション能力やコミュニケーション能力を伸ばす方向へシフトしていく。また、ICTについても昨年度から中2、中3全員にタブレットを導入し、いろいろな教科の授業で積極的に活用している。
教務部長・井上実教諭(数学科)は中2にタブレットを使ったICTの授業を1年間行い、その効果を語る。「板書はあらかじめ作っておいて生徒に配信するので、その分、時間を短縮できます」。余裕ができた時間に30分のテストを行う。できる生徒は15分で解けてしまうが、分からない生徒もいる。そこで、生徒同士で教え合いの時間をつくる。全員ができるようになるまで、同じ内容を、数値を変えて何度でもテストする。やがて、すべての生徒が理解できるようになるというわけだ。他の教科でも、例えば理科の授業では、あらかじめタブレットで該当する実験を見せておくことで、実際の実験時に段取りがよくなりスピードアップした。ゆとりの時間が生まれれば、実験をさらに深く進めることもできる。授業が豊かになるのだ。