啓明学園中学校
共学校

グローバルな環境で社会的視野を広げ、大学新入試へも対応
[ この記事のポイント ]
啓明学園中学校高等学校 校長 原田泰宏
2019年度でセンター試験が廃止となり、翌年度からグローバルスタンダードに基づいた新しい共通テストに切り替わります。これにより、中学・高校の教育現場も大きな変革の時期となります。日本の教育は、これまでのように大学入試をゴールとして捉え、偏差値重視の詰め込み学習に重きを置いていた時代から、「知識・教養を養い、得た経験をもとに自ら考え、発信し、行動できるグローバルな人材」を育てる時代となってきているのです。
この流れには、本学の創立者である三井家総本家11代目の実弟、三井高維の考え方が、今の時代に必要なものだと再認識させられます。本学は8名の帰国子女、13名の教員によって1940年に始まりました。教育理念は「広い視野のもと、豊かな人間性と独自の見識を持ち、世界に心を入れた人を育てる」。太平洋戦争前夜、世界に開かれた心を持つ人材を養成しようという創立者の願いは、今も引き継がれています。それを現代に合わせて進化させていくことが我々の使命と思います。
現在、帰国生や二重国籍・外国籍の生徒、留学生などの国際生は約36%です。クラスは一般生と一緒ですので、休み時間なども常に皆、英語をはじめ多様な言語を交わし合っています。わからない生徒も耳を傾け、わかろうと努力します。つまり日々の環境自体がグローバル。一般生にとっても異文化や互いの個性を認め合い、豊かな人間性を育む礎となっています。教員も生徒の母国語に合わせ、現在は5言語のネイティブ教員がいます。入試は、希望するあらゆる言語で受けられます。
また、本学は文部科学省のスーパーグローバルハイスクールアソシエイト校指定を受けており、英語教育はもとより、社会問題への関心や教養、コミュニケーション力、問題解決力を育み、グローバルリーダーたる人材の育成に力を注いでいます。
海外留学は1週間の短期から1年間の長期まで、在学中に
10回もの機会があります。語学力を鍛えるだけでなく、カンボジアでのワーキングキャンプなど実施しています。また、毎年行う「国際理解の日」では、世界のさまざまな課題について自分たちで調べ学習していますし、有識者と共に皆でディスカッションする「グローバル講演会」も定期的に開催しています。校外のスピーチコンテストや国際会議に参加して優秀な成果を出す生徒も多いほか、学内では今年度から、自分たちの文化や言語を大切にするため、小学生から高校生まで対象の「多言語コンテスト」もスタートします。
また、リベラルアーツに力を入れているのも本学の特色です。「ピースメーカー(平和を築く人)」を大テーマとして、社会的な問題解決能力を養うプログラム「グローバルスタディーズ」は中3からの必修です。さらに理数系科目と体育・音楽・家庭科などの実技系科目とのコラボレーション授業も、学びを自分自身の生活に結びつけ、興味を醸成する効果をもたらしています。
今後は大学入試方法多様化に伴い、推薦やAO入試もますます増えてくるといわれます。中高時代に、自ら問題を発見し、考え、行動し、アイデアや学びを共有する経験を積んで、「私だから言える」「僕だから語れる」オリジナリティを持ってほしいと思います。そのためにも、生徒の個性が開花するきっかけとなる授業、望む将来を力強く後押しするキャリアサポートの充実は一層重要になってくるでしょう。
生徒さんたちには、さまざまなバックグラウンドを持つ仲間の中で、世界を学び、世界のために行動を起こせるピースメーカーとして成長されることを期待しております。