瀧野川女子学園中学校
女子校

中1で理想の街をつくりデザイン思考を学ぶ
東工大で欧米の研究者とともに学んだ経験
工学の教育手法が女子の創造性を開花する
[ この記事のポイント ]
学びと実社会のつながりを理解させ、学習姿勢を能動的に。
工学という学問の特性を生かした同校独自の「創造性教育」。
最終目的は「生きたい人生を自ら実現できる女性」の育成。
研究者時代の経験を生かして 新時代の教育を追求
「日本の教育に課題があるとすれば、学びの一つひとつを実社会で活用できる形に昇華できていないこと。生徒が『なぜ、勉強しなくてはいけないのか?』と思っているとするならば、それは教員側の責任。今、学んでいることにはどんな意味があって、世の中とどのように結びついていくのか、それを明確にしてあげたい」と語る、瀧野川女子学園の山口龍介副校長。山口副校長は東京工業大学大学院でロボット創造学と経営を学んできた人物だ。在学中はロボット工学の世界的権威である廣瀬茂男氏の研究室に所属。欧米の一流大学から同研究室をめざして留学していた優秀な学生らとともに研究に勤しんでいた。「彼らを見ていて、欧米の教育の先進性に驚かされました。知識や専門性があるだけでなく、それらをいかにビジネスにつなげていくかを考えようとする姿勢が身についていた。そもそも工学は、社会の人びとを幸せにするために新しいものを生み出すための学問です。そのためには、世の中のことをよく見ていなければならないし、今ないものを生むことは、新たなビジネスにつながっていく」。当時の気づきは、そのまま同校の教育改革の礎となっている。「我々の改革は、特定の科目を強化するのでなく、勉強のやり方を根本から変えて実社会で使える力をつけること。その最たるものが『創造性教育』です」。