跡見学園中学校
女子校

松井真佐美校長先生
小学校で算数が苦手だった生徒が
跡見流数学教育で理系学部に進学
[ この記事のポイント ]
数学は校長自らも指導にあたり、苦手な生徒の学力向上を図る。
全員保持のタブレットと演習ノートを両輪に生徒を見守る。
全員が外部の数学コンクールに参加し、応用力を伸ばす。
演習ノートとタブレットで 苦手を克服し基礎学力アップ
跡見学園の数学と英語は、中1ではクラスを2分割した少人数制、中2からは習熟度別編成で授業を展開する。生徒一人ひとりに適した学習環境ときめ細やかな指導を通して個々の力を伸ばし、基礎力の徹底習得に注力しているのだ。「数学は基礎をしっかり身につけることが最も重要。本校では、中学内容に関しては『体系数学』を使い、基礎学力を体系的に一段ずつ着実に積み上げていく。小学校で算数が苦手だった生徒も学力が伸び、理系学部に進学している」と数学科の及川裕喜教諭は力強く語る。
同校で特筆されるのが、中1から行われている『日々の演習』だ。日々の課題を教科担当がプリントにして授業の度に提出させ、添削するのだが、同教諭は60ページの大学ノートを使い、1日最低2ページ以上自分のペースで必要な内容を自分で決めて勉強をすることで、一人ひとりの学習進度に合わせた自立学習力を育む。1日2ページ勉強すれば1年で12冊のノートが手元に残り、努力の軌跡を実感できる。
今年5月、全生徒がタブレットを所持。その日勉強した演習ノートのページをタブレットに貼り、質問があれば書き添えるといった、アナログとデジタルを融合した学習環境が整備された。タブレットの導入により、従来プリントで提出を求めていた家庭学習の内容をタブレット上で行えるようになり、教員はリアルタイムに添削し、解き直しを指示できる。タイムラグがなく、生徒も教員から常に見守られていると感じることができる。さらに職員室に質問に来ない生徒もネットを介してよく質問をするようになった。タブレットと演習ノートを併用することで、生徒は勉強を継続すれば成果につながることを実感し、自信をつけていくのだ。
また高2以下の生徒を対象に、AI型タブレット教材「Qubena」(キュビナ)も採用した。AI(人工知能)が生徒一人ひとりの得意・不得意を分析し、解くべき問題へと誘導。Qubenaと補習担当の教員2名が指導にあたることで、生徒のつまずきを早期に発見して解決する。日常的にも計算力テストを行い、復習を兼ねて過去の知識の体系化も行う。
さらに中3の夏休みには、「MATHコン」(主催:理数教育研究所Rimse)に、高1の夏休みには「統計全国グラフコンクール」(主催:統計情報研究開発センター)に、それぞれ全生徒が参加する。「MATHコン」は、自分でテーマを決めて行う自由研究。また、「統計全国グラフコンクール」は、『情報』の授業とのコラボレーションで行われており、各自テーマを設定し、データ表現に取り組む。いずれも数学の社会的応用力を実践する場になっている。