城北中学校
男子校

授業前に心を落ち着かせる静座
自由と規律のバランスが取れた校風が
社会に有為な魅力ある人材を育てる
[ この記事のポイント ]
1.伝統ある習慣「静座」をはじめ、人間形成を重視。
2.学校生活で育むリーダー力とマネジメント力。
3.教員が生徒一人ひとりに寄りそってサポート。
ヒマラヤ杉のように深く根をはる大樹となるための土台づくり
城北の敷地に入ると、ヒマラヤ杉の大樹が目に入る。77年前、現在の場所に開校してすぐに地元の人たちから寄贈されたものだ。「本校の生徒たちには、天に向かって伸びるヒマラヤ杉の大樹のように育ってほしいと願っています。そのためには、深く広く強く根を張るごとく、しっかりした土台をつくらねばなりません」と小俣力校長。最先端のICT教育や語学留学を含むグローバル教育,充実した校内施設は、生徒のために整えた当たり前のツールにすぎない。重点を置いているのは、社会を担う有為な人材となるための人間形成だ。
「静座」はホームルームの前、そしてすべての授業の前に必ず行われる伝統の習慣。「静座」の号令が始まると生徒は、椅子に座り、半眼で呼吸を整える。静かに流れる数十秒の時間が、授業への集中力を高めてくれる。「大学受験の前にも『静座』をすれば落ち着くと多くの生徒が言います。卒業して何十年を経た同窓会も『静座』と幹事が冗談で言うと皆さん笑いながらなつかしがってやってくれたりします」と保坂慎二教頭。
中1生が入学して間もなく長野県大町市にある本校大町山荘で行われる3泊4日のオリエンテーションもまた同校での生活の基礎を教える重要な行事だ。お風呂の入り方、スリッパの整理整頓、配膳の仕方、ふとんの畳み方など、方法だけでなく、「なぜ、そうするのか」まで学ぶ。生徒は中2夏期林間や高3勉強合宿でこの施設を利用することになるが、すべて中1で学んだ規律が基礎となる。保坂教頭は「本校の規律と礼儀正しさは、クラブ合宿などで外部の施設を利用しても誉めていただけます。もちろん、社会に出てからも役立つでしょう」と話す。