普連土学園中学校
女子校

現役理系進学率は4割を超える
未知の問題にいかにチャレンジするか 数学教育が育む多角的な課題解決力
[ この記事のポイント ]
1.超難関校との併願パターンも多い新入試「1日午後算数入試」。
2.答えを導くだけでなく、「なぜ」を徹底的に考え抜く。
3.実社会で欠かせない問題解決能力も育む数学教育を実践。
基礎をかため、定理を理解し、記述力を伸ばす中学数学
19年度より、算数1科目による「1日午後算数入試」を導入した普連土学園。試験時間は50分、出題数は50問。基礎基本や計算の処理能力を測るだけでなく、知識の活用力や問われている意味をきちんと理解できているかを見る問題も盛り込まれていることが特徴だ。例えば「ある商品の2割増しの2割引きと、同じ商品の8円引きが同じ金額になるとき、この商品の値段は何円ですか」という問い。「合格者と不合格者の正答率に、非常に差がついた問題でした。合格者の併願校を見てみると、いずれも難関校ばかり。基礎学力が高い受験者が合格していることが伺えます」と、数学科主任の片山聡一郎教諭は語る。
入学後は更なるレベルアップをめざし、数学的な基礎力と思考力の育成を主軸に据えた授業を展開。中1から高2まで、数学の授業はクラスごとに必ず2名の教員がつき、ティーム・ティーチングか分割クラスで展開される。単に問題を解けるようになるだけでなく、「なぜ、このように考えるのか」「どうして、この定理を使うのか」といったように、着実に理解を深めていけることが同校の数学教育の特徴だ。そのために、中学段階から途中式を書いてもらうなど、記述力も重視している。それから、生徒同士のペアワークも積極的に行っている。「数学が不得手な生徒も自分から友達や教員に質問をするなど前向きに取り組む姿勢が見られます。また数学が得意な生徒も、何となく解ける問題も、解き方を他者に説明するとなると、順序立てて考える必要があります。『なぜ、どうして』を徹底的に考え、言語化していくことで、更なる理解を促すからです」と片山教諭。
こうして培った数学への本質的な理解は、高校での数学学習において、証明などの記述式問題を解く際にも大いに力を発揮する。片山教諭は「ただ式を羅列すれば数学の答案になるわけではないことを理解していて、答案をどのように書けばよいか意識している生徒が多いように思います」と語る。